大腸側方発育型腫瘍(LST)-新たな時代へ
LSTに対するESD治療の基本とピットフォール EMR/ESDの選択基準、分割EMR許容の是非、生検の是非
斎藤 豊
1
,
山田 真善
,
曽 絵里子
,
高丸 博之
,
坂本 琢
,
大竹 陽介
,
中島 健
,
松田 尚久
,
九嶋 亮治
1国立がん研究センター中央病院 内視鏡科
キーワード:
大腸内視鏡法
,
腫瘍侵入性
,
生検
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
側方発育腫瘍
Keyword:
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Biopsy
,
Colonoscopy
,
Neoplasm Invasiveness
pp.69-78
発行日 2014年1月20日
Published Date 2014/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/J05332.2014091129
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内視鏡所見と病理組織における検討から,SM浸潤率が高く多中心性浸潤を呈することが多いLST-NG>20mmをESDのよい適応とし,SM浸潤率が低く,たとえSM浸潤するにしても粗大結節下で浸潤することが多いLST-Gに関しては計画的分割切除(分割EMR)での対応が可能と報告していたが,『胃と腸』誌においてESDで一括切除されたLST-GのSM浸潤率・SM浸潤部位の再評価を行い,LST-Gに対する治療適応を考察した.LST-Gにおいても30mmを超えると16%のSM浸潤率を呈し,また全SM癌の25%にてLST-NG同様,粗大結節や陥凹以外の多中心性浸潤を認め,拡大観察にても診断できない場合が多かった.さらに最近の手術例も含めた検討でも同様の結果であり,LST-NG>20mmに加え,LST-Gにおいても30mm以上の病変に関してはESDのよい適応と考える.しかしながら遺残再発例や大型の隆起性病変など線維化困難例なども存在し,術者の技術的側面を考慮することも必要である.
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