特集 表在性十二指腸腫瘍の新展開
表在性十二指腸腫瘍に対する治療手技とその選択
矢作 直久
1
,
前畑 忠輝
,
木口 賀之
1慶応義塾大学医学部附属病院 腫瘍センター低侵襲療法研究開発部門
キーワード:
鉗子
,
十二指腸鏡法
,
十二指腸腫瘍
,
術前評価
,
縫合法
,
内視鏡的粘膜切除術
,
内視鏡的粘膜下層剥離術
,
外科用固定用品
,
スネア
Keyword:
Duodenal Neoplasms
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Endoscopic Mucosal Resection
,
Duodenoscopy
,
Suture Techniques
,
Surgical Fixation Devices
pp.1014-1020
発行日 2019年7月25日
Published Date 2019/7/25
DOI https://doi.org/10.24479/J02312.2019334138
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表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍は比較的稀な疾患であり、内視鏡治療を行う機会はそれほど多くない。また十二指腸はスコープの操作性が悪く筋層も薄いため、内視鏡的切除術の技術的ハードルや偶発症のリスクがきわめて高い。したがって治療方針は、病変の性状とスコープの操作性を十分に検討して決定すべきである。表在性非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍にはCFP、CSP、EMR、UEMR、ESDおよびLECSなど多くの治療手技がある。治療手技はおもに病変のサイズと状況によって選択される。そして後出血や遅発性穿孔などの重篤な偶発症を防止するために、切除創のしっかりとした縫縮が必要である。ESDは技術的困難さや偶発症の多さからきわめて挑戦的であるといえるが、膵頭部十二指腸切除術を回避する切り札でもある。ESDが必要となる大型の病変はそれほど多くはないことから、集約化して先進施設で治療を行うべきだと考えられる。一方で、中型病変は地域の中核病院でEMRまたはUEMRで治療し、小型の病変に関しては各施設でCFPまたはCSPで治療すべきである。
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