連載
症例をどうみるか 緊急気管切開を要したポリープ様声帯症例
露無 松里
1
,
内尾 紀彦
,
小島 博己
1東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科学教室
キーワード:
気管切開術
,
喉頭鏡法
,
粘膜
,
免疫組織化学
,
Reinke浮腫
Keyword:
Immunohistochemistry
,
Tracheotomy
,
Mucous Membrane
,
Laryngoscopy
pp.897-899
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2019296536
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症例は77歳女性で、当院受診6日前のカラオケ後に呼吸苦が出現した。受診2日前から咽頭痛も自覚していたため、同日、前医救急外来を受診した。胸部CTにて肺病変は否定されたが、喉頭ファイバーにて声帯の著しい浮腫状の腫脹が認められ、外科的処置が必要と判断され当院に救急搬送された。局所麻酔下に気管切開を行ったところ、気道が確保され呼吸苦は改善した。その後、改めて声帯を確認し高度のポリープ様声帯を疑った。入院8日目に声帯に対する根治的手術を施行し、病理所見では粘膜下浮腫のほか、フィブリンの析出、血管増生の所見を認めた。悪性腫瘍を示唆する所見は認められなかった。術後の発声禁止期間を経て、術後9日目に気管切開孔にレティナを挿入、ワンウェイバルブを装着し発声させた。喉頭ファイバーにて声帯を確認したが、声帯粘膜の浮腫状の所見は改善しており、気道の開通を認めた。
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