連載
症例をどうみるか 喉頭神経鞘腫の1例
嶋村 洋介
1
,
西谷 友樹雄
,
小島 博己
1東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科教室
キーワード:
気管切開術
,
喉頭鏡法
,
喉頭腫瘍
,
MRI
,
神経鞘腫
Keyword:
Laryngeal Neoplasms
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Tracheotomy
,
Laryngoscopy
,
Neurilemmoma
pp.323-326
発行日 2021年3月1日
Published Date 2021/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2021157935
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症例は54歳女性で、嗄声を主訴とした。喉頭内視鏡検査で右披裂から有茎性の腫瘤性病変を認めた。頸部造影CTでは右披裂部喉頭蓋ヒダから披裂部にかけて内部不均一な造影効果を伴う最大横断径2.5cm大の腫瘤を認め、MRIではT1強調造影像で低信号、T2強調像で高・低信号の混在を認めた。外来での喉頭内視鏡下生検では診断できず、呼吸苦に対する気道確保目的の気管切開術後、全身麻酔下喉頭直達鏡下に喉頭腫瘍摘出術を施行した。病理所見はAntoni A型とAntoni B型が混在する組織像であり、神経鞘腫と診断したが、腫瘍由来神経は不明であった。術後8日目に気管切開孔を閉鎖し、術後15日目に退院し、術後2ヵ月経過現在再発は認めない。
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