発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013269706
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
75歳女。舌癌の術前精査中にCTで左S1+2に3cm大の腫瘤を認め、PET-CTで集積がみられ、気管支鏡検査でadenocarcinomaと診断された。なお、喉頭鏡検査では舌根部の左側で咽頭腔に隆起する腫瘤を認め、生検でadenoid cystic carcinomaと診断された。肺癌手術を先行することとし、硬膜外麻酔併用全身麻酔の下、7.5mmのspiral tubeを挿管してクーデックバルーンで片肺換気を行い、胸腔鏡併用の定型的左上葉切除術、2a群リンパ節郭清術を行った。病理診断は高分化型乳頭型の腺癌で、縦隔リンパ節に転移を認め、pT2N2M0、病理病期IIIA期であった。術後3日目までは経過良好であったが、術後4日に突然の喘息が出現し、緊急喉頭鏡検査で両側声帯麻痺を認めた。その直後、酸素飽和度が低下して呼吸困難となり、両側声帯麻痺による気道閉塞と診断して緊急気管切開術を行い、術直後より呼吸状態は安定した。術後7日に両側声帯麻痺の改善を認め、術後14日に舌癌の根治術を行った。
©Nankodo Co., Ltd., 2013