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症例をどうみるか 新生児期より哺乳不良、呼吸困難を認めた上咽頭奇形腫の1例
有本 友季子
1
1千葉県こども病院 耳鼻咽喉科
キーワード:
咽頭切除
,
気管切開術
,
奇形腫
,
喉頭鏡法
,
呼吸困難
,
MRI
,
X線CT
,
上咽頭腫瘍
,
視診
,
哺乳障害
Keyword:
Magnetic Resonance Imaging
,
Tracheotomy
,
Nasopharyngeal Neoplasms
,
Laryngoscopy
,
Pharyngectomy
,
Dyspnea
,
Teratoma
,
Tomography, X-Ray Computed
pp.1665-1668
発行日 2019年11月1日
Published Date 2019/11/1
DOI https://doi.org/10.24479/J01814.2020053784
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症例は0歳1ヵ月男児で、39週2日、体重2565gで正常分娩により出生した。出生後哺乳不良があり、日齢8で軽度の吸気性喘鳴も指摘され再入院となった。週を追うごとに呼吸困難の増悪もみられ、日齢32から吸気性喘鳴の増悪をきたし、近隣の総合病院小児科を受診、単純レントゲン写真上咽頭側面像にて中咽頭、舌根部の閉塞を認め、精査目的で同日当科紹介受診となった。内視鏡検査にて、後鼻孔をほぼ閉塞する上咽頭腫瘤を認めたことから、緊急入院となった。日齢38に全身麻酔下、下気管切開術を施行した。術後はICUにて管理し、創部安静のため鎮静を行い呼吸器管理とした。日齢91に全身麻酔下、経口アプローチにて上咽頭腫瘤の摘出を行った。その後は呼吸状態良好で喘鳴等なく、経口哺乳も良好なため日齢112に退院となった。病理組織学的所見から上咽頭奇形腫と診断した。
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