臨床経験
窒息後の気管切開孔を閉鎖し経口摂取が再開できた筋強直性ジストロフィーの1例 嚥下リハビリテーション・歯科治療・送気訓練の有用性
徳永 誠
1
,
鮫島 靖浩
,
田上 加奈子
,
平田 みなみ
,
赤瀬 諒市
,
小林 夏奈
,
吉岡 理沙
,
次山 美波
,
古川 由美子
,
右田 柔志郎
,
廣瀬 知二
1寿量会熊本機能病院 リハビリテーション科
キーワード:
X線透視検査
,
嚥下障害
,
気管切開術
,
筋緊張性ジストロフィー
,
喉頭鏡法
,
歯科医療
,
歯科矯正装置
,
窒息
,
ビデオ記録
,
インサフレーション
,
嚥下訓練
Keyword:
Tracheotomy
,
Video Recording
,
Dental Care
,
Deglutition Disorders
,
Fluoroscopy
,
Asphyxia
,
Laryngoscopy
,
Orthodontic Appliances
,
Myotonic Dystrophy
,
Insufflation
pp.93-99
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.32118/J02606.2021129833
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
34歳男。9年前に筋強直性ジストロフィー1型と診断されたが、特定疾患の申請はなく、通院も途絶えていた。職場で昼食中に誤嚥・窒息し、心肺停止となり、救急要請され、現場で心拍再開し、A病院に搬送された。気管切開術を施行され、第35病日にリハビリ目的で当院に転院した。気管切開孔を閉鎖し経口摂取を再開できた理由として、摂食・嚥下リハビリーションを続けたこと、抜歯等の歯科治療を行い、軟口蓋挙上装置を製作・装着したこと、送気訓練を行ったこと、年齢が若く肺気腫等の合併症がなかったことなどが考えられた。これらのうち送気訓練については、通常発声ができないカフ付きの気管カニューレ装着時に発声訓練を行うことができ、嚥下に対しても、酸素の流れが咽頭の感覚を刺激することで嚥下反射が比較的スムーズに生じ、喉頭から咽頭へ唾液を押し戻すように酸素が流れることで誤嚥が生じにくいという利点がある。
Copyright© 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All rights reserved.