特集 小児で経験する「血液の異常」-血液疾患の鑑別とトピックス
トピックス iPS血小板製剤の開発ストーリー
陳 啓昊
1
,
江藤 浩之
1京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門
キーワード:
血液製剤
,
血小板
,
血小板輸血
,
細胞培養技術
,
iPS細胞
Keyword:
Blood Platelets
,
Platelet Transfusion
,
Cell Culture Techniques
,
Induced Pluripotent Stem Cells
pp.1162-1165
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021295272
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<Key Points>(1)少子化からの献血者数の減少と、高齢化による輸血対象となる高齢患者の増加で、輸血製剤の供給と需要のバランスはどんどん崩れる一方となっている。(2)ヒトiPS細胞の誕生に伴い、c-MYC、BCL-XL、BMI-1を加えた3つの遺伝子の強制発現を用いて、不死化巨核球株「imMKCL」を樹立した。(3)低分子化合物TA316やROCK阻害薬とAhR競合剤の組み合わせなどの発見が巨核球の培養条件を最適化した。(4)縦型乱流発生培養槽VerMESの開発によって巨核球の成熟と血小板産生が促進し、高機能の血小板が産生できることを見いだした。2019年世界初のiPS血小板製剤による患者(被験者)への臨床研究を開始した。
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