2015年の白血病診療-一般外来での初発症状から長期フォローアップまで 白血病治療の合併症
貧血,血小板減少
上條 亜紀
1
1横浜市立大学附属病院 輸血・細胞治療部
キーワード:
血液製剤
,
血小板減少症
,
同種抗体
,
白血病
,
貧血
,
血小板輸血
,
赤血球輸血
,
鉄過剰症
,
血液量過多
,
輸血反応
Keyword:
Anemia
,
Leukemia
,
Isoantibodies
,
Thrombocytopenia
,
Erythrocyte Transfusion
,
Platelet Transfusion
,
Iron Overload
,
Transfusion Reaction
pp.259-263
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2015323340
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白血病は造血器そのものの腫瘍性疾患であり,正常造血が抑制される.さらに治療における化学療法の副作用でも造血は抑制され,赤血球造血抑制による貧血(酸素不足)症状と臓器障害,血小板減少による出血傾向を示す.支持療法として各成分の輸血を行う.赤血球の輸血は,患者の病状を鑑みながら,Hb 7.0~8.0g/dL以上,10g/dL以下程度となるように投与する.血小板減少による深部臓器(中枢神経系,眼内)の出血は重大な副作用であるため,白血病治療では血小板数1~2万/μLを目安とした予防的な血小板輸血を行う.わが国の輸血用血液製剤は善意の献血制度により成り立っているが,少子高齢化に伴い安定確保は困難な傾向にある
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