特集 川崎病の今
急性期の治療 免疫グロブリン
池田 和幸
1
1京都府立医科大学 大学院医学研究科小児科学
キーワード:
IgG
,
川崎病
,
薬物抵抗性
,
リスク評価
,
静脈内注入
Keyword:
Drug Resistance
,
Infusions, Intravenous
,
Mucocutaneous Lymph Node Syndrome
,
Immunoglobulin G
,
Risk Assessment
pp.87-91
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/J00648.2021135329
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<Key Points>(1)IVIG超大量単回投与は、現時点において川崎病急性期治療におけるもっとも信頼できる抗炎症療法であり、約80%の症例で解熱が得られる。(2)汎血管炎が始まる前の第7病日以前にIVIGが開始されることが望まれる。最新の全国調査では約70%の症例において第5病日までに治療が開始された。(3)不全型川崎病と診断される患者でも冠動脈病変(CAL)を合併することがあるため、鑑別診断をふまえ可能なかぎり早期にIVIGを開始することが推奨される。(4)15~20%ほど存在するIVIG不応例ではCALを高率に合併するため、リスクスコアを用いて重症予測例に対してより強い治療を行うか、あるいは標準治療を行った後に2nd line以降の追加治療を患者の状態に応じて選択し、CALの発生を抑制する。
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