特集 小児外科診療における合併症、偶発症-とっさの処置、その後の対応
洗腸カテーテルの腸内進入 洗腸の合併症
菊地 健太
1
,
藤野 順子
,
畑中 政博
,
岡崎 英人
,
大串 健二郎
,
長谷川 真理子
,
五十嵐 昭宏
,
岸 陽子
,
浦橋 泰然
,
池田 均
1獨協医科大学埼玉医療センター 小児外科
キーワード:
Hirschsprung病
,
異物移動
,
カテーテル法
,
腹部X線診断
,
腸洗浄
Keyword:
Catheterization
,
Hirschsprung Disease
,
Foreign-Body Migration
,
Radiography, Abdominal
pp.284-286
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019182066
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生後2ヵ月、男児。Hirschsprung病の治療目的で当科へ紹介となった。術前準備として連日1~2回の浣腸を実施したが、手術当日の浣腸時に注腸カテーテルが腸内に進入した。肛門鏡を挿入して鉗子でカテーテルの摘出を試みるも困難で、その後もカテーテルは自然排泄されず、全身麻酔下に内視鏡による摘出を行う方針とした。内視鏡による観察ではカテーテルの肛門側端が拡張した下行結腸内に確認され、複数の鉗子を用いて摘出を試みたが、視野の確保と狭い結腸内での鉗子操作が困難で、送気ガスの貯留による腹部膨満が進行し、換気不全をきたした。以後、内視鏡下の摘出は断念し、合併症発生から6日目の根治手術時にカテーテルを摘出した。術後は経過良好で、術後13日目に退院となった。
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