特集 小児外科診療における合併症、偶発症-とっさの処置、その後の対応
内視鏡手術トロカーによる手術器具破損
神保 教広
1
,
堀 哲夫
,
五藤 周
,
南 洋輔
1茨城県厚生農業協同組合連合会総合病院土浦協同病院 小児外科
キーワード:
食道アカラシア
,
機器機能不全
,
Heller筋切開術
,
トロカール
Keyword:
Esophageal Achalasia
,
Equipment Failure
,
Heller Myotomy
,
Surgical Instruments
pp.287-290
発行日 2019年3月25日
Published Date 2019/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019182067
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15歳女児。嘔吐を主訴に当院を受診し、精査の結果、食道アカラシアの診断で腹腔鏡下Heller-Dorr手術を行う方針とした。術中合併症は認めなかったが、再建後の鉗子操作時にスコピストが3.5mm鉗子の絶縁被膜の破損を気づいた。術者と情報共有し、ほかの鉗子に破損がなく、腹腔内にも明らかな異物がないことを確認後、手術は終了とした。しかし、術後に鉗子破損を観察すると、破損部は鉗子半ばのトロカーとの接触部に一致し、絶縁体被膜が薄切されて、辺縁でわずかにつながっている状態であった。目視と触診ではほかに明らかな破損部位を特定できず、メーカーに詳細確認を依頼したところ、metallic sheathによると考えられる絶縁被膜破損を認めるものの、鉗子絶縁不良検知器でも検出できなかったとの報告であった。
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