投稿論文 症例報告
術後の下肢麻痺により硬膜外カテーテルのくも膜下腔迷入が判明した1症例
川本 優
1
,
井浦 晃
,
入嵩西 毅
,
久利 通興
,
高橋 亜矢子
,
藤野 裕士
1大阪府立病院機構大阪急性期・総合医療センター 麻酔科
キーワード:
異物移動
,
下肢
,
カテーテル法
,
クモ膜下腔
,
硬膜外麻酔
,
後腹膜腫瘍
,
麻痺
Keyword:
Anesthesia, Epidural
,
Foreign-Body Migration
,
Subarachnoid Space
,
Retroperitoneal Neoplasms
,
Paralysis
,
Catheterization
,
Lower Extremity
pp.840-843
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.18916/J01397.2021294646
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
76歳、男性の巨大後腹膜腫瘍に対し腫瘍摘出術と膵頭十二指腸切除術を行い、全身麻酔と硬膜外麻酔で管理した。術中大量出血のため術後は気管挿管のまま集中治療室(ICU)に入室し、数時間後未抜管の状態で四肢従命を確認したところ、両下肢麻痺を認めた。硬膜外カテーテルから脳脊髄液が持続的に吸引され、カテーテルのくも膜下腔迷入が判明した。薬物中止後は筋力が回復し、特に神経学的な後遺症を認めなかった。硬膜外カテーテルからの薬物投与に際しては、カテーテル挿入時に異常を認めなかった場合でも吸引テストを行って脳脊髄液の逆流がないことを確認し、患者の呼吸・循環を常に監視する必要がある。
Copyright© 2021 KOKUSEIDO CO., LTD. All Rights Reserved.