特集 新生児外科疾患の精神・身体発育
先天性横隔膜ヘルニアにおける精神発達評価の現状と問題点
近藤 琢也
1
,
永田 公二
,
照井 慶太
,
臼井 規朗
,
田口 智章
1九州大学 大学院医学研究院小児外科学分野
キーワード:
Wechsler知能検査
,
発達障害
,
聴力障害
,
後向き研究
,
横隔膜ヘルニア-先天性
,
発達検査
,
特異的言語障害
Keyword:
Developmental Disabilities
,
Wechsler Scales
,
Hearing Disorders
,
Retrospective Studies
,
Specific Language Disorder
,
Hernias, Diaphragmatic, Congenital
pp.31-34
発行日 2019年1月25日
Published Date 2019/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019141546
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先天性横隔膜ヘルニア528例を対象に、2006~2010年に出生した181例(A群)と2011~2016年に出生した347例(B群)に分け、精神発達の主観的評価と客観的評価を比較した。客観的評価は新版K式発達検査(KSPDのDQ値、1.5歳、3歳)と児童向けウェクスラー式知能検査(WISC-IV、6歳)を用いた。その結果、A群では20~25%に発達遅滞・神経学的後遺症を認め、全体の1/4に客観的評価が行われていた。遠城寺式やウェクスラー式幼児用知能検査も追加されていた。B群では、その割合はA群と同程度であったが、客観的評価は約2倍に増加し、KSPDに統一されていた。発達遅滞・神経学的後遺症の内訳は、両群とも言語障害が最も多かった。また、聴覚障害を3~14%に認め、そのうち45~60%が言語障害を併発していた。A群では1.5歳、3歳、6歳時点のDQ値<85の割合は30~61%、DQ値<70の割合は15~22%と高く、B群では各々27~29%、7~12%と減少していた。
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