症例
胎児診断された胎児耳下腺囊胞の一例
藤森 啓太
1
,
中山 敏男
,
小西 久也
,
大柴 葉子
,
藤井 知行
1山王病院 女性医療センター産科・婦人科部門
キーワード:
耳下腺疾患
,
出生前超音波診断
,
囊胞
,
母性年齢35歳以上
Keyword:
Ultrasonography, Prenatal
,
Cysts
,
Parotid Diseases
pp.1807-1810
発行日 2021年12月10日
Published Date 2021/12/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2022162020
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は39歳2妊0産。凍結融解胚移植にて妊娠が成立し、妊娠19週5日で行った胎児超音波スクリーニングにおいて、胎児右耳下腺領域に最大径8mm程度の囊胞性病変を認めた。頭頸部囊胞は耳下腺領域に認められたため、出生前診断は頸部囊胞と診断された。妊娠21週の精密超音波検査で囊胞の増大は認められず、他の連続性や伸展も認められなかったことから、最終的に耳下腺部に限局した耳下腺囊胞と診断された。妊娠経過は良好であった。妊娠39週6日に分娩第2期遷延の診断で、鉗子分娩となり2740gの男児を出生した。視診上では出生児の頭頸部に囊胞様構造は認められなかったが、外表奇形として両側母指多指症を認めた。分娩後の経過は良好で、母児ともに産褥4日に退院となった。
Copyright© 2021 tokyo-igakusha.co.jp. All rights reserved.