症例
ルイボスティー摂取により胎児動脈管早期収縮をきたしたが、中止後改善し生児を得た1例
宮副 美奈子
1
,
濱田 裕貴
,
齋藤 昌利
,
田中 宏典
,
只川 真理
,
星合 哲郎
,
西郡 秀和
,
八重樫 伸生
1東北大学病院 総合周産期母子医療センター
キーワード:
出生前超音波診断
,
心エコー図
,
母性年齢35歳以上
,
Polyphenols
,
アスパラトゥス属
,
茶系飲料
,
動脈管子宮内閉鎖
Keyword:
Ultrasonography, Prenatal
,
Echocardiography
,
Polyphenols
,
Aspalathus
pp.1143-1146
発行日 2020年7月10日
Published Date 2020/7/10
DOI https://doi.org/10.24479/J00621.2020372807
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36歳女性。妊娠24週に前医で切迫早産と診断され、周産期管理目的に当科搬送入院となった。塩酸リトドリン点滴を行い、細菌性腟症に対し腟洗浄とメトロニダソール腟剤投与による局所治療を行った。妊娠30週に超音波で胎児の動脈管収縮や三尖弁逆流、右心系の拡大を認め、動脈管径は1.7mm、心胸郭面積比は36.2%、RV/LV比は1.31であった。胎児動脈管早期収縮(PCDA)と診断し、問診で妊娠前に毎日1000mL程度のルイボスティーを摂取していたことが判明した。ルイボスティーに含まれるポリフェノールに起因した胎児PCDAと診断し、摂取を中止した。胎児PCDAや三尖弁逆流、右心径の拡大は改善し、妊娠36週に胎児動脈管径は4.1mm、RV/LV比は1.16となった。胎児は骨盤位であり、外回転術で頭位となった。妊娠38週に吸引分娩で正常児を出産し、日齢5に母子ともに退院となった。1ヵ月健診時、児は発育良好で、心機能の異常はなかった。
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