症例
胎児腹腔外臍帯静脈瘤および非典型的な超音波像を呈した間葉性異形成胎盤の1例
小西 久也
1
,
中山 敏男
,
藤森 啓太
,
大柴 葉子
,
藤井 知行
1山王病院 産婦人科
キーワード:
臍帯静脈
,
出生前超音波診断
,
静脈瘤
,
前期破水
,
胎児死亡
,
胎盤疾患
,
母性年齢35歳以上
,
剖検
Keyword:
Varicose Veins
,
Ultrasonography, Prenatal
,
Fetal Membranes, Premature Rupture
,
Placenta Diseases
,
Fetal Death
,
Umbilical Veins
pp.1007-1011
発行日 2021年8月1日
Published Date 2021/8/1
DOI https://doi.org/10.34433/J00525.2021278889
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間葉性異形成胎盤(PMD)は巨大化した嚢胞状の胎盤が特徴で、臍帯や胎盤の出血・血栓形成、子宮内胎児発育不全(FGR)、子宮内胎児死亡(IUFD)を発症することがあるまれな胎盤疾患である。今回、臍帯胎盤付着部に臍帯嚢胞と胎児腹腔外臍帯静脈瘤を認めたが胎盤実質に特徴的な嚢胞状構造を認めない超音波像を呈したPMDを経験したので報告する。症例は37歳、1妊0産。妊娠29週に臍帯胎盤付着部に7cmの多房性嚢胞を伴う4cmの静脈瘤を認め、臍帯嚢胞・胎児腹腔外臍帯静脈瘤の診断となった。児の発育や健常性に異常は認めなかったが、妊娠33週で前期破水を認め、高次医療施設に母体搬送するも同日にIUFDを認めた。病理解剖にて児に明らかな奇形はなく、胎盤病理組織学的所見より血腫を伴う腹腔外臍帯静脈瘤、PMD、臍帯動脈内血栓、臍帯嚢胞と診断された。
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