Japanese
English
特集 脊椎・脊髄損傷—診断・治療の最前線と今後の展望
脊髄損傷に対するMuse細胞移植治療
Muse Cell Transplantation for Spinal Cord Injury
遠藤 俊毅
1,2
,
新妻 邦泰
3,4
,
梶谷 卓未
1
,
高橋 義晴
1
,
鈴木 晋介
2
,
冨永 悌二
1
Toshiki ENDO
1,2
,
Kuniyasu NIIZUMA
3,4
,
Takumi KAJITANI
1
,
Yoshiharu TAKAHASHI
1
,
Shinsuke SUZUKI
2
,
Teiji TOMINAGA
1
1東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野
2国立病院機構仙台医療センター脳神経外科
3東北大学大学院医学系研究科先端治療開発分野
4東北大学大学院医工学研究科神経外科先端治療開発学分野
1Department of Neurosurgery, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
Muse細胞
,
Muse cell
,
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
静脈投与
,
intravenous administration
Keyword:
Muse細胞
,
Muse cell
,
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
静脈投与
,
intravenous administration
pp.926-930
発行日 2020年10月25日
Published Date 2020/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.5002201510
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
脊髄損傷は,交通事故や転落などの強い外力が脊髄にかかることによって引き起こされる11).脊髄損傷は運動感覚障害,膀胱直腸障害を引き起こし,患者の日常生活動作(ADL)は著しく低下する.現在,脊髄損傷に対する根本的な治療は,残念ながらまだない.しかし,近年,外因性の幹細胞移植により治療するさまざまな取り組みがなされている7,10).細胞ソースとしては,神経幹細胞やinduced pluripotent stem(iPS)細胞,間葉系幹細胞,単核球細胞などが用いられ,特に札幌医科大学とニプロ社により開発された,自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた再生医療等製品「ステミラック注」が「条件及び期限付製造販売承認」を取得するなど,脊髄損傷に対する再生医療に新たな展開が訪れている.
Copyright © 2020, MIWA-SHOTEN Ltd., All rights reserved.