特集 高齢者の非腫瘍性血液疾患
序 ~超高齢化社会における血液内科診療のために~
川端 浩
1
Hiroshi Kawabata
1
1金沢医科大学 血液免疫内科学 特任教授
pp.13-17
発行日 2018年12月30日
Published Date 2018/12/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201901013
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日本は人口構成の高齢化が急速に進行中であるが,腫瘍性の血液疾患だけでなく,非腫瘍性の血液疾患も年齢とともに罹患率が増加する。一般に,年齢が進むほど健康状態の幅は拡大し,併存疾患や全身状態,認知機能,社会的な背景も多様となる。このため,高齢者では患者ごとに個別化した医療が強く求められる。本特集では高齢者の鉄欠乏性貧血,腎性貧血,巨赤芽球性貧血,溶血性貧血,再生不良性貧血,免疫性血小板減少症,凝固異常症をとりあげて,それぞれの専門家に執筆いただいた。これらの疾患以外にも,膠原病や感染症,悪性腫瘍に伴う二次性貧血(慢性疾患の貧血)や薬剤性の血球減少症も,高齢者では頻度が高い。