Japanese
English
特集 超高齢化社会における高齢者感染症の特徴と課題
序 -超高齢社会における感染症-
Consideration on infectious diseases in the coming unprecedented ageing society
光山正雄
1
Mitsuyama Masao
1
1京都大学 名誉教授/京都大学大学院総合生存学館 特定教授
キーワード:
超高齢社会
,
加齢
,
感染症
,
介護
Keyword:
超高齢社会
,
加齢
,
感染症
,
介護
pp.22-23
発行日 2014年8月25日
Published Date 2014/8/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201409022
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- Abstract 文献概要
平成22年(2010年)の統計によれば,日本人の平均寿命は男性80歳(世界第5位),女性86.4歳(世界第1位)で,わが国は世界でもまれな超高齢社会となってきている。長寿が健康の最大のバロメータとすれば望ましいことではあるが,老衰で天寿を全うする高齢者は限られており,高齢者の多くはさまざまな基礎疾患や易感染性を抱えて生きていると言わざるを得ない。高齢者には特有の生体防御能の低下がみられ,褥創感染や嚥下性肺炎など,十分なケアで防ぐことが可能な感染症も多い一方,健康成人では限定的な自然経過で治癒がみられるインフルエンザなどでも容易に致命的な感染となる。また,十分なキュアやケアを可能にする高齢者医療制度についても将来への不安は大きく,後期高齢者医療制度を含む老人保健制度には懸念すべき問題点も多いと言わざるを得ない。本特集は,単に高齢者の感染についての解説にとどまらず,将来の人口動態や高齢者医療の問題点なども含めて,高齢者医療について新たな視点を提供するために企画立てたものである。