特集1 超高齢社会における適正薬物療法の特質 ~ガイドラインの今日的役割と薬剤師の責務~
序 ~超高齢社会における薬物療法のあり方~
山田清文
1
1名古屋大学医学部附属病院教授/薬剤部長
pp.1433-1435
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.20837/12016061433
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日本は世界で最も高齢化率の高い超高齢社会である。高齢者の薬物有害事象の発生頻度は高く,その要因としてポリファーマシーと薬物動態・薬力学の変化が大きく関与している。さらに,高齢者では服薬管理能力が低下していることが,薬物有害事象の発生に繋がっている。「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」では,薬剤師が薬物療法に関与することが強く推奨され,関連学会では専門薬剤師の認定も行われている。一方,超高齢社会に対応した地域包括ケアシステムの構築に向けて,平成28年(2016年)度の診療報酬改定では「薬剤総合評価調整加算」など,ポリファーマシーの抑制に向けた診療報酬が新設された。高齢者の安全な薬物療法に向けて,薬剤師ができること,すべきことは沢山ある。