巻頭言
高齢化社会は危機か?
岡本 五十雄
1
1勤医協札幌丘珠病院リハビリテーション科
pp.559
発行日 1989年8月10日
Published Date 1989/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552106097
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「日本は,欧米に類をみない早さで,高齢化社会が到達する.今,老人1人を働く6人でささえているが,2025年には2人で1人をささえなければならない」という.確かに,日本は急速に高齢化し,2021年のピーク時に65歳以上の老人は全人口の23.6%(その後,徐々に低下する)になる.また,高齢者(65歳以上):生産年齢人口(20~64歳)は1985年1:5.9,2000年1:3.7,2010年1:2.8,2025年1:2.3となる.この数字をみると,なるほど大変だと思う.
しかしこの計算では19歳以下の若年人口が除外されている.19歳以下は子供もいれば大学生もおり,これらの人々を生産人口で支えていることになる.そこで,これを加えて計算すると,(高齢者+若年人口):生産年齢人口は以下の順に1:1.55,1:1.51,1:1.26,1:1.19となる.それほど大きな変化ではない.
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