特集 骨髄異形成症候群(MDS)の分類・病態・治療と予後の最前線
2.骨髄異形成症候群の診断 -形態,染色体と遺伝子異常-
市川 幹
1
Motoshi Ichikawa
1
1獨協医科大学 内科学(血液・腫瘍) 准教授
pp.1699-1707
発行日 2018年11月30日
Published Date 2018/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018121699
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骨髄異形成症候群(MDS)は造血細胞の異形成と骨髄における無効造血を特徴とする造血不全症であり,急性骨髄性白血病に移行することを特徴とする腫瘍性疾患でもある。従来,造血細胞の形態学的な特徴から診断がされてきているが,最新のWHO分類においては,形態学に基づく診断がより病態を反映したものに改訂されるとともに,染色体異常に加えて,網羅的遺伝子変異解析によって同定された遺伝子変異がついに診断に反映されるようになった。これらの特徴を用いて疾患を適切に分類し予後予測を行うことが,治療方針の適切な選択にもつながる。