特集 骨髄異形成症候群(MDS)の分類・病態・治療と予後の最前線
4.低リスク骨髄異形成症候群に対する治療
鈴木隆浩
1
Takahiro Suzuki
1
1北里大学医学部 血液内科学 教授
pp.1719-1726
発行日 2018年11月30日
Published Date 2018/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/52018121719
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低リスク骨髄異形成症候群(MDS)は,IPSS Low~Intermediate-1(Int-1)あるいはIPSS-R Very Low~Intermediateで診断されるカテゴリーであり,多くの症例では芽球増加は軽度であり,血球減少や機能障害など骨髄不全症状が臨床上最も問題となる。白血化リスクは比較的少なく,主に造血改善を目的とした治療が行われる。しかし,抗腫瘍療法が標準の高リスクMDSと異なり,低リスクMDSでは様々な薬剤選択肢があるものの,奏効率の高い治療法はわずかであり,その選択基準も明確になっていないものが多い。低リスクMDSに対する有用な薬剤の開発や治療方針選択基準の確立が求められている。