特集 慢性骨髄性白血病(CML)治療 ~残された課題~
7.同種造血幹細胞移植の位置づけ
東條有伸
1
Arinobu Tojo
1
1東京大学医科学研究所 先端医療研究センター 分子療法分野 教授
pp.225-231
発行日 2013年1月30日
Published Date 2013/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201302225
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イマチニブをはじめとする一連のチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)によって慢性期CMLの80%以上が分子遺伝学的に良好な反応を得ている現在,同種造血幹細胞移植(alloSCT)の臨床的重要性は明らかに低下している。しかしながら,初発抵抗例や経過中の抵抗性獲得例,不耐容例,そして病期進行例を含む20%弱の患者にとって,alloSCTが残る最後の頼みの綱であることも確かである。移植成績を向上させるためには,移植へ舵をとる条件と時期を的確に判断すると同時に,ドナーと前処置法の選択についても十分な検討が必要である。