特集 血液疾患における薬剤の副作用とその対策
序 ~抗がん剤副作用予測システム~
田内哲三
1
,
大屋敷一馬
2
Tetsuzo Tauchi
1
,
Kazuma Ohyashiki
2
1東京医科大学 血液内科 准教授
2東京医科大学 血液内科 主任教授
pp.671-672
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201805671
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多くの分子標的薬,抗体医薬品,免疫調節薬,免疫チェックポイント阻害剤等の新規薬剤の長期毒性に関しては,いまだに不明な点も多い。近年,ゲノム網羅的な遺伝子多型タイピングや全ゲノムシークエンス技術の急速な進歩により,薬剤の作用とゲノム情報を結びつけ特定の患者における薬剤反応性に関連する要因を見出し,個別化医療を目指すファーマコゲノミクス研究が推進されている。わが国においても,薬剤を「より安全に,より有効に」という患者にとっての当然の願いを早く実現させるためには,多くの患者,医療関係者の協力,国家的な情報収集のためのさらなる体制整備が必要である。