特集 血液疾患における薬剤の副作用とその対策
1.チロシンキナーゼ阻害薬での対策1)末梢動脈閉塞性疾患(PAOD)(ニロチニブ)
吉岡智子
1
,
高橋直人
2
Tomoko Yoshioka
1
,
Naoto Takahashi
2
1秋田大学大学院医学系研究科 血液・腎臓・膠原病内科学講座 講師
2秋田大学大学院医学系研究科 血液・腎臓・膠原病内科学講座 教授
pp.673-679
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201805673
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BCR-ABL1チロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor:TKI)により慢性骨髄性白血病の5年生存率は90%以上となり,長期予後が望めるようになった。その一方で,TKI投与が長期化するにつれ特徴的な晩期有害事象が明らかになってきた。ニロチニブにおいては,末梢動脈閉塞性疾患をはじめとする心血管疾患の発症が注目されている。心血管疾患は一度発症するとQOLに重大な影響を与えるため,ニロチニブ開始時には心血管リスクを評価し,循環器内科と連携をとりながら治療をすすめることが重要である。