特集 臨床“Kampo”~各科領域におけるエビデンス~
3.抗がん剤の副作用に対するKampoのエビデンス
河野透
1
1札幌東徳洲会病院先端外科センター・センター長/北海道大学大学院薬学研究院臨床病態解析学研究室・客員准教授
pp.699-703
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201502699
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漢方薬は薬物動態試験など最近の基礎的研究で作用メカニズムに対する理解が深まり,化学療法のレジメン的薬理作用であることが明らかとなりつつある。臨床的にもプラセボ対照二重盲検試験など,エビデンスのある検討がなされてきた。抗がん剤治療によって必然的に副作用やQOL(quality of life)の低下,その結果,有効な薬剤の減量,変更,治療継続が困難となる。 本稿では,副作用の中で,西洋薬では十分な対応が難しい口内炎,下痢に対する半夏瀉心湯(ハンゲシャシントウ),末梢神経障害に効果が期待できる牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)について基礎的,臨床的エビデンスとともに概説した。