特集 疾患特異的iPS細胞を用いた病態研究と創薬
9.疾患特異的iPS細胞を用いた筋・骨格系疾患に対するアプローチ
戸口田淳也
1
,
日野恭介
2
,
池谷真
3
Junya Toguchida
1
,
Kyosuke Hino
2
,
Makoto Ikeya
3
1京都大学ウイルス・再生医科学研究所/京都大学iPS細胞研究所
2京都大学iPS細胞研究所/大日本住友製薬株式会社 疾患リサーチディビジョンiPS創薬ラボ
3京都大学iPS細胞研究所
pp.395-401
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201803395
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筋・骨格系組織の遺伝性疾患は極めて多様で,かつそれぞれが希少であるため,原因遺伝子が同定されていても,詳細な分子病態が不明で治療法も確立されていないものが多い。私達は2012年から2017年の間,「疾患特異的iPS細胞を活用した筋骨格系難病研究」として病態解明から創薬に取り組んできた。その結果,対象疾患の1つである進行性骨化性線維異形成症において,発症因子としてアクチビンAを同定し,さらに治療標的因子としてmTORを同定し,その阻害剤であるシロリムスを用いた医師主導治験を開始するに至った。