特集 疾患特異的iPS細胞を用いた病態研究と創薬
3.疾患特異的iPS細胞を用いた免疫不全症に対するアプローチ
森尾友宏
1
Tomohiro Morio
1
1東京医科歯科大学大学院 医歯学総合研究科 発生発達病態学分野(小児科) 教授
pp.353-360
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201803353
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原発性免疫不全症候群は「単一遺伝子異常による免疫系の異常を呈する疾患群」である。ヒトにおいて,特定の遺伝子が免疫担当細胞の分化や機能にどのように関与するかを詳細に解析する上で,疾患特異的iPS細胞は大きな力を発揮してきた。iPS細胞は,新規遺伝子異常の病態を明らかにし,さらに遺伝子治療・ゲノム編集モデル,創薬探索モデルとしても,欠くことができない手段の1つとなった。ゲノム編集技術の進化と洗練に伴い,その有用性はさらに高まっていくことが予想される。