特集 疾患特異的iPS細胞を用いた病態研究と創薬
4.疾患特異的iPS細胞を用いた自己炎症性疾患に対するアプローチ
齋藤潤
1
Megumu Saito
1
1京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 准教授
pp.361-365
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201803361
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自己炎症性疾患は,誘因が明らかではない炎症所見を認める一方で,自己抗体や自己反応性T細胞が確認できない疾患群と定義されており,主として自然免疫の異常によって発症する。自己炎症性疾患は,遺伝性疾患が多く,樹立したiPS細胞に遺伝子異常が反映されることや,主たる責任細胞である自然免疫担当細胞,特に好中球や単球系細胞のiPS細胞からの分化系が確立されていることなどから,iPS細胞を用いた解析に適した疾患群である。筆者らは,各種自己炎症性疾患患者からiPS細胞を樹立し,病態解析研究を進めている。本稿では,これらの研究の現状を報告する。