特集 疾患特異的iPS細胞を用いた病態研究と創薬
7.疾患特異的iPS細胞を用いた先天性血小板減少/異常症に対するアプローチ
杠明憲
1
,
江藤浩之
2
Akinori Yuzuriha
1
,
Koji Eto
2
1京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 江藤研究室
2京都大学iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 江藤研究室 教授
pp.379-385
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201803379
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先天性血小板減少/異常症は,遺伝的背景を原因として血小板数の減少/機能の欠損を来す。近年はiPS細胞技術によって患者の遺伝子情報を保持した培養巨核球が得られるようになり,病態を再現する研究が進歩してきている。これらの研究は,疾患を理解するためだけではなく,巨核球・血小板の自然史を知る有効な手段としても活用され,血小板の体外製造による再生医療の発展に貢献している。本稿は,これまでに発表された血小板分野の疾患特異的iPS細胞についての論文を概説し,近年の筆者らの取り組みについても報告する。