特集 疾患特異的iPS細胞を用いた病態研究と創薬
8.疾患特異的iPS細胞を用いた神経難病に対するアプローチ
岡野栄之
1
,
奥野博庸
2
Hideyuki Okano
1
,
Hironobu Okuno
2
1慶應義塾大学医学部 生理学教室 教授
2慶應義塾大学医学部 生理学教室 助教
pp.387-394
発行日 2018年2月28日
Published Date 2018/2/28
DOI https://doi.org/10.20837/5201803387
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山中らにより開発されたiPS(induced pluripotent stem)細胞は,損傷した部位に移植する正常機能をもつ細胞を作れるだけでなく,患者由来体細胞からiPS細胞を介して罹患部位の分化細胞を作ることで患者細胞由来の疾患モデルの構築が培養皿で可能となった。つまり細胞移植による再生医療への応用だけでなく,患者細胞を用いた病気モデルの作成および創薬に有用であると大きく期待されている1)。本稿は,神経変性疾患のiPS細胞を用いたモデル作成および創薬開発について概説する。