特集 iPS細胞への期待
6.疾患特異的iPS細胞を用いた先天性好中球減少症の病態解析
森嶋達也
1
,
渡邉健一郎
2
,
平家俊男
3
Tatsuya Morishima
1
,
Ken-ichiro Watanabe
2
,
Toshio Heike
3
1京都大学大学院 医学研究科 発達小児科学
2京都大学大学院 医学研究科 発達小児科学 講師
3京都大学大学院 医学研究科 発達小児科学 教授
pp.223-231
発行日 2014年1月30日
Published Date 2014/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201402061
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HAX1遺伝子異常による先天性好中球減少症の患者よりiPS細胞を作製し,これをin vitroで好中球に分化させたところ,好中球の分化異常やコロニー形成能の低下,アポトーシスの増加などの病態が再現できた。さらに,この患者由来iPS細胞にHAX1遺伝子を導入したところ,これらの好中球系の造血異常はいずれも改善を認めた。このように,患者由来iPS細胞からのin vitro好中球分化モデルは疾患モデルとして有用であり,様々な好中球系疾患の病態解析や新規治療法開発に寄与することが期待される。