特集 iPS細胞への期待
5.疾患特異的iPS細胞を用いた先天性無巨核球性血小板減少症(CAMT)の病態解析
平田真治
1
,
江藤浩之
2
Shinji Hirata
1
,
Koji Eto
2
1京都大学 iPS細胞研究所 臨床応用研究部門
2京都大学 iPS細胞研究所 臨床応用研究部門 教授
pp.217-221
発行日 2014年1月30日
Published Date 2014/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201402055
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疾患の病態解明における遺伝子改変マウスの重要性は明らかである。一方で,すべての疾患モデルマウスがヒトの生理・病態を反映できるわけではない。疾患iPS細胞技術の発見は,ヒトでの病態解明を生体外において可能にした。我々は,トロンボポイエチン(TPO)受容体MPLの遺伝子異常によって発症した先天性無巨核球性血小板減少症(CAMT)患者から作製したiPS細胞(CAMT-iPSC)を用いて,MPL欠損マウスの解析では明らかにできなかったヒトMPLの新たな役割を明らかにした1)。