特集 血栓溶解療法の今
2.脳梗塞に対する血栓溶解療法
高木正仁
1
,
豊田一則
2
Masahito Takagi
1
,
Kazunori Toyoda
2
1国立循環器病研究センター 脳血管内科
2国立循環器病研究センター 脳血管部門長
pp.1389-1398
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201710031
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脳卒中による死亡や後遺症は多い。脳卒中のなかでも脳梗塞の頻度は高いが,2005年に静注血栓溶解療法が承認されて以降,急性期治療は大きく変化している。アルテプラーゼは遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン活性化因子であり,ペナンブラ救済を目的とした静注血栓溶解療法に国内外で広く用いられている。治療適応があれば劇的な予後改善効果を見込める一方で,重篤な出血合併症の危険が潜むことから治療開始には慎重な判断を要する。脳機能予後の改善のためには,できる限り早期に脳血流再開を目指す治療戦略が重要である。