特集 CAR(キメラ抗原受容体)-T細胞療法の実用化へ向けて
7.トランスポゾン遺伝子改変T細胞療法の開発
中沢洋三
1
Yozo Nakazawa
1
1信州大学医学部 小児医学教室 教授
pp.995-1001
発行日 2017年6月30日
Published Date 2017/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201707075
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キメラ抗原受容体(CAR)を遺伝子導入したT細胞を用いるCAR-T療法は,難治性がんに対する有望な治療法である。しかし,高頻度に生じる副作用とともに,4,000万円を超えると想定される高額な費用が問題視されている。DNAプラスミドベクターを用いるトランスポゾン法は,簡単かつ安価な非ウイルス遺伝子改変技術で,CAR-T療法の製造コストを大幅に減少させると期待されている。現在,筆者らのグループはpiggyBacトランスポゾン遺伝子改変CAR-T療法のfirst-in-human試験の準備を進めている。