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連載講座 ヒトを知るモデル動物としてのゼブラフィッシュ-2
トランスポゾンを用いたゼブラフィッシュの遺伝学—遺伝子トラップ法〜Gal4-UAS法
Transposon-mediated genetic methods in zebrafish
川上 浩一
1
Kawakami Koichi
1
1国立遺伝学研究所遺伝形質研究系発生遺伝学研究室
キーワード:
トランスポゾン
,
遺伝子トラップ法
,
Gal4-UAS法
Keyword:
トランスポゾン
,
遺伝子トラップ法
,
Gal4-UAS法
pp.591-595
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201450
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遺伝子やエンハンサーの機能解析,あるいは胚が透明であるという長所を活かした細胞の蛍光ラベル実験において,トランスジェニックゼブラフィッシュの作製は重要である。Stuartらは,受精卵の細胞質へのプラスミドDNAの微量注入によりトランスジェニックフィッシュの作製が可能であることを示した1)。その方法を用いて,LongらによるGATA-1プロモーターの下流にGFP遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュの作製2),東島らによるアクチンプロモーターの下流にGFP遺伝子を組み込んだトランスジェニックフィッシュの作製3)などの研究が行われた。しかしながら,1990年代後半プラスミドDNAの微量注入によるトランスジェニックフィッシュの作製効率はとても低いものであった。ショウジョウバエにおけるP因子のようなトランスポゾンを用いた遺伝学的方法論がゼブラフィッシュにおいて開発されれば,その問題が克服され,研究が飛躍的に進むことは明らかであったが,そのような方法論は未開発であった。その理由は,当時脊椎動物において効率よく転移するトランスポゾンが見つかっていなかったことにあった。
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