特集 骨髄不全症の最近の進歩
7.発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)に対する抗補体薬療法の現状と展望
髙森弘之
1
,
植田康敬
2
,
西村純一
3
Hiroyuki Takamori
1
,
Yasutaka Ueda
2
,
Jun-ichi Nishimura
3
1大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学
2大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 特任助教
3大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 講師
pp.267-274
発行日 2017年1月30日
Published Date 2017/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201702077
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補体C5に対するヒト化モノクローナル抗体であるエクリズマブは,発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH:paroxysmal nocturnal hemoglobinuria)において,補体によるPNH赤血球の溶血およびそれに伴う種々の症状を改善させる。エクリズマブの登場によりPNH患者のQOLは改善し,海外からは生命予後が改善したという報告もある。しかしながら,克服しなければならない課題も存在し,よりよい治療法の開発が求められている。本稿ではエクリズマブ治療の現状と課題,および新規抗補体薬の開発の現状について述べる。