特集 骨髄不全症の最近の進歩
1.先天性骨髄不全症のゲノム診断
村松秀城
1
,
小島勢二
2
,
高橋義行
3
Hideki Muramatsu
1
,
Seiji Kojima
2
,
Yoshiyuki Takahashi
3
1名古屋大学大学院医学系研究科 小児科学 助教
2名古屋大学大学院医学系研究科 小児科学 名誉教授
3名古屋大学大学院医学系研究科 小児科学 教授
pp.213-218
発行日 2017年1月30日
Published Date 2017/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201702023
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
先天性骨髄不全症は,患者の有する遺伝子変異が原因となり造血不全を合併する症候群の総称であり,多数の疾患を含んでいる。最近のゲノム解析技術の向上により,先天性骨髄不全症の新規原因遺伝子が次々と報告されている。 一方,先天性骨髄不全症の確定診断には,遺伝子変異解析が有用だが,疾患数および原因遺伝子が多数存在するため実際には多くの困難を伴う。近年,次世代シーケンサーを用いた網羅的遺伝子診断システムが構築され,多数の疾患の原因遺伝子を同時に解析・評価することが技術的に可能となっており,臨床での広範な利用が期待される。