特集 骨髄不全症の最近の進歩
2.後天性骨髄不全症におけるゲノム解析の意義
吉里哲一
1
Tetsuichi Yoshizato
1
1京都大学大学院医学研究科 腫瘍生物学講座
pp.219-227
発行日 2017年1月30日
Published Date 2017/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201702029
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後天性骨髄不全症は,再生不良性貧血・発作性夜間血色素尿症・骨髄異形成症候群の総称である。各々の病態は異なっているが,共通点も多く,実臨床上,診断に苦慮する症例に少なからず遭遇する。また,これら3疾患はしばしば相互移行することも知られており,何らかの共通基盤が存在することを示唆している。近年のゲノム解析技術の進歩に伴い,骨髄不全症のゲノム異常の全貌が解明されつつあり,またその臨床的意義も報告されている。本稿では,再生不良性貧血を中心に,骨髄不全症におけるゲノム異常とその臨床的意義について概説する。