特集 造血器腫瘍の微小残存病変(MRD)
2.ABL阻害剤使用患者における微小残存病変の検出とストップ試験
木村晋也
1
Shinya Kimura
1
1佐賀大学医学部 血液・呼吸器・腫瘍内科 教授
pp.1229-1236
発行日 2016年8月30日
Published Date 2016/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201609029
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ABLチロシンキナーゼ阻害剤(TKIs)で十分な治療効果を維持できた慢性骨髄性白血病(CML)患者では,治療をストップしても再発を認めない治療不要寛解(TFR)に至る症例が50%前後も存在することが明らかとなってきた。十分な効果とは,major BCR-ABL1 mRNAに対する定量的リアルタイムPCRでも微小残存病変(MRD)が検出できない状態を一般的に意味する。最適なストップの条件を求めて,世界中で種々のTKIsストップ試験が行われている。さらに,より感度の高いMRD検出方法の開発も進んでいる。