特集 造血器腫瘍
Ⅲ 検査法の基礎知識
8.微小残存病変
川又 紀彦
1
Norihiko KAWAMATA
1
1順天堂大学医学部血液内科
pp.1307-1313
発行日 2002年10月30日
Published Date 2002/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905231
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はじめに
造血器腫瘍は,近年化学療法剤の進歩や造血幹細胞移植の導入により飛躍的に長期予後が改善してきた疾患の1つである.治療の進歩に伴い,治療効果の判定,再発の早期発見といった微小残存病変(minimal residual disease;MRD)の有無を正確に知る方法論も検討されてきた.急性白血病においては以前は光学顕微鏡による形態判定による残存病変の有無の検討が主流であり,特徴的な白血病細胞の出現や芽球の増加など腫瘍細胞数が全細胞中の数%まで増加しなければその検出は困難であった1,2).
その後,染色体分析法の進歩と各種疾患特異的染色体異常の同定により,異常染色体の検出を使ってMRDの検出が試みられてきた.
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