特集 造血器腫瘍の微小残存病変(MRD)
3.CLLにおけるMRDとvenetoclax(ABT-199)の有用性
青木定夫
1
Sadao Aoki
1
1新潟薬科大学薬学部 病態生理学 教授
pp.1237-1245
発行日 2016年8月30日
Published Date 2016/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201609037
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CLLの治療効果の評価において,MRDの検出は重要性を増している。MRDの測定は,flow cytometry(FCM)を用いる方法とPCR法による遺伝子解析で行われるが,標準的な方法は確立しておらず,施設面や時間,コストの問題がある。FCMでは,4 color解析が一般的でこの方法では10-4の感度でMRDを検出でき,CLL8試験などの臨床研究で有意な予後因子となっている。アレル特異的定量PCRでは高感度でMRDが検出できるが,一般的には行えない。8,10 color FCMや次世代シークエンサーを用いた方法も導入されつつある。Venetoclaxなどのシグナル伝達阻害薬は,深いMRDの減少をもたらすことから治癒を見据えたMRD解析法の開発が望まれる。