特集 慢性骨髄性白血病の治療戦略2016
序 ~CML治療の歴史,現状と今後~
松村到
1
Itaru Matsumura
1
1近畿大学医学部 血液・膠原病内科 教授
pp.1071-1075
発行日 2016年7月30日
Published Date 2016/7/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201608017
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慢性骨髄性白血病(CML)は,BCR-ABLが病因遺伝子として同定され,BCR-ABL蛋白を標的としたチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)が開発された。第一世代TKIのイマチニブによりCMLの予後は劇的に改善し,多くの患者が余命を全うできるようになった。さらに,第二世代TKIも臨床応用されている。今後のCML治療は,すべての症例で病期進行による死亡を回避するのみでなく,長期にわたるQOLの低下や経済的な問題を解決するために,STOP試験や新規薬剤を用いた治癒に向けた新たな戦略の確立に期待したい。