特集 慢性骨髄性白血病(CML)治療 ~残された課題~
6.CML治癒を目指した治療
進藤岳郎
1
,
木村晋也
2
Takero Shindo
1
,
Shinya Kimura
2
1佐賀大学医学部 血液・呼吸器・腫瘍内科 助教
2佐賀大学医学部 血液・呼吸器・腫瘍内科 教授
pp.217-224
発行日 2013年1月30日
Published Date 2013/1/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201302217
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慢性骨髄性白血病(CML)の治療において,メシル酸イマチニブを始めとしたチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の登場は画期的な進歩であった。しかし,第二世代以降のTKIをもってしても全症例を治癒に導くには至っておらず,新たな治療戦略の開発が求められている。近年のがん幹細胞研究のめざましい発展に伴い,CML幹細胞が同定され,そのふるまいが明らかになりつつある。これらの結果を踏まえ,TKIと新規薬剤の併用が現在盛んに試みられており,今後は複数の分子標的薬の併用によって治療成績のさらなる向上が期待される。