今月の主題 白血病—最新の概念と治療
病態
CMLの急性転化の病型
坂本 忍
1
Shinobu Sakamoto
1
1自治医科大学・内科
pp.1856-1858
発行日 1981年11月10日
Published Date 1981/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217388
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慢性骨髄性白血病(CML)は,一般に治療に比較的よく反応する慢性期を経て急性転化(blasticcrisis)を起こしてくる.臨床的にはCMLの急性転化への進展を阻止する治療法の開発が待たれるが,これとともに最近の免疫学的検索法や酵素化学的検索法,in vitroでの培養による造血幹細胞の検索法などの進歩によりCMLの病態生理の解明がなされ,CMLの急性転化はひと頃考えられていたような骨髄芽球の増殖する症例ばかりでなく,リンパ球系幼若細胞の増殖する症例の存在が認識されるに至り,CMLの急性転化は,造血幹細胞のレベルでの異常によるきわめて不均一な病態と考えられるようなってきている.
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