特集 造血器腫瘍の分子標的治療の進歩
序 ~分子標的治療の歴史と今後~
松村到
1
Itaru Matsumura
1
1近畿大学医学部 血液・膠原病内科 教授
pp.1715-1719
発行日 2015年11月30日
Published Date 2015/11/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201512017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
分子標的療法は従来の抗がん剤とは異なり,腫瘍化に関わる分子あるいは腫瘍細胞に強く発現する分子を標的とする。2001年に初めて登場したImatinib,Rituximabは,慢性骨髄性白血病,悪性リンパ腫に対して,従来の抗がん剤では期待できないほどの画期的な治療効果を示し,現在ではほぼすべての造血器腫瘍に対して分子標的療法が臨床応用されている。今後は,分子標的療法の併用,近年脚光を浴びている抗腫瘍免疫療法との併用も期待される。