ディベート血液学 第5回
急性骨髄性白血病(AML)-M3治療に化学療法は必要か ・M3の化学療法 YES or NO
麻生範雄
1
Norio Asou
1
1埼玉医科大学 国際医療センター 造血器腫瘍科 教授
pp.994-997
発行日 2016年6月30日
Published Date 2016/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201607086
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急性前骨髄球性白血病に対するATRAとATO併用による寛解導入および地固め療法では,高い寛解率,地固め療法中の骨髄抑制に伴う感染症の低下,さらに再発率の低下が期待される。しかし,ATRA/ATO療法では寛解導入中の白血球上昇と分化症候群の併発が課題であり,とくに治療前白血球数高値の高リスク群では化学療法の併用が必要である。また,ATRA/ATO療法の累積再発率は5%以下と優れているが,高リスク群では交差耐性のない化学療法による寛解後療法も有用と考える。