連載 ディベート血液学 第3回
MDSへの化学療法を行うかどうか?
MDSの化学療法 YES or NO
堀尾謙介
1
,
朝長万左男
2
Kensuke Horio
1
,
Masao Tomonaga
2
1日本赤十字社 長崎原爆病院 血液内科 副部長
2日本赤十字社 長崎原爆病院 院長
pp.1066-1070
発行日 2014年6月30日
Published Date 2014/6/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201407098
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芽球増加を伴う高リスクMDS(RAEB)では,アザシチジンの有効率は50%内外で,不応例/不耐例が少なくない。多くの症例で低容量シタラビン療法(LDAC)が選択されるが,生存期間に対する効果は未だ明確ではない。RAEB-T(FAB分類)例でLDACが著効し,3年を超える生存期間を維持している経過を提示し,今後化学療法の有用性の検証が必要であることを主張した。一般にMDSでは化学療法抵抗例が多いのは事実であるが,本例のような感受性の比較的高い症例の選択法を多数例で明らかにする必要性を強調する。